FC2ブログ

なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

不良と呼ばれた同級生のおはなし

禁煙から半年が経過して、もうこれで恐らくは復活することはなかろうという確信に近いものがもてるようになってきた。キャンプで無理やりakiさんから勧められて吸った葉巻も、別段うまいと思わないし、喫煙を誘引されることもない。ニコチンに対する依存が失せてしまった証しだと思っている。タバコと葉巻で何がどう違うのかよくわからないけど。
でも世間では、禁煙を目指し医療施設にまで通っている人が結構いるらしい。しかもその何割かが子供だというから唖然。ここでいう子供とは10歳~18歳をさすのだけれど、成長過程にある脳の神経細胞は、薬物の影響を大きく受けやすく、大人よりも短期間で重度のニコチン依存に陥りやすいんだとか。だから禁煙するのも厄介で、ニコチンパッチの効き目は大人よりも断然高いものの、再び喫煙をはじめてしまう確立もまた高いのだ。私が中学の時も、すでに喫煙している生徒がいたっけな…。
そんなことを考えていたら、ふと頭に浮かぶ同級生がいた。
確か田中くん…、そうそう、みんなで「ヒサオ」って呼んでたんだ。やってることやミテクレは不良だったけど、根は親分肌な明るいやつで、ベストヒットUSAのまさに先を行くようなダンスフリークだった。中3の2学期の終業式の後、突然担任の岩崎先生がその不良のヒサオと、ヒサオにいつもパシリをやらされていた成田クンって子のふたりをみんなの前に呼び出したことがあった。また説教かとおもったら、先生はとんでもないことをいったのだ。
「おまえら、なまら踊りうまいんだってな。いつも廊下で踊ってるっていうっしょ。ちょっと先生にもみせてくれないかい?」
先生はバリバリの北海道弁でそう言った。もちろん生徒はやんやの大喝采になっちゃって、前に出されたヒサオも引けなくなった。リーゼントに決めた頭をかきかき、成田クンとなにやらコショコショと打合せをした。そして今思うと不思議だけど、そこにはちゃんとラジカセとカセットテープがあって、ヒサオと成田クンはラブマシーンを踊ったんだ。ふたりのステップはまるで陰みたいにピシャリとあっていて、私たちはホレボレしながら手拍子を打った。先生は、笑うとなくなっちゃう目をいよいよ細めてふたりのステップを見てた。
思いがけずオンステージを演じるハメになったけど、ふたりはもちろんしばしの間はヒーローで、ヒサオはもちろんのこと、ちっとも勉強もできず中坊のくせにチンピラ風情だった成田クンも、すっかり一目置かれるようになった。
そんな、今でも鮮明に記憶に残る楽しい終業式だった。
でも結局ヒサオは3学期の途中で学校にこなくなった。体育館の裏でちょこちょこ吸っていたのが、とうとうタバコだけじゃなくなったからだ。そうなると学校側も目をつむったままでいるわけにもいかない。親を呼び、停学という処置を取ったように覚えている。でも停学が解けた後もなお、やっぱりヒサオは姿を見せなかった。卒業式にもこなかった。その後の先生の話では、理容師を目指して上京しているはずで、19歳で東京に引っ越してきた私は、いつだったか電話帳でヒサオの名前を探したことがあった。でも何人かいた「田中久男」さんに電話をする度胸はなかった。
ヒサオはもうタバコは辞められただろうか。接客業の理容師だもの、とっくに辞めて幸せな家族に囲まれて生きててくれればいいけれど。
関連記事

| 未分類 | 12:56 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re:不良と呼ばれた同級生のおはなし(11/7)

なんつーか「ちびマル子」ような世界でつな

| aki | 2003/11/07 13:17 | URL | >> EDIT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://naoneok.blog.fc2.com/tb.php/751-1bfd4936

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>