アナタがいい
相手をどう呼ぶかが気になるのは日本語ならではなのかも。
名前や愛称で呼ばない場合、どんなふうに呼んでる…?
ちょっと憧れてた大学生から「アンタ」と呼ばれるのが
いつもちょっぴりイヤだった。
一方的に惚れていたのでちろん文句など言えるはずもなく、
逢って愛車のワーゲンに乗せてもらえるだけで
心躍ったんだけど、なぜ「キミ」とか「アナタ」じゃなく
「アンタ」と呼ぶのだこの人はとずっと思ってた。
でも後にして思えば、名古屋では男女とも「アンタ」がスタンダード。
それも関東の「アンタ」とは少し違っていて
「ア」にアクセントはおかず、ほぼ棒読みの「アンタ」だ。
彼氏や旦那に「アンタ」と呼ばれるのは、後にも先にもこの
名古屋のワーゲン男子が唯一。
私を「オマエ」と呼んだ男子も、よほどのケンカの時と父親以外、
ほとんどない。
ないと言い切ってもいいくらいだ。
なぜだか10代の頃から、付き合う人にはいつも「アナタ」と
呼ばれてた。
だからというわけじゃないけれど、
ワタシも相手を「アナタ」と呼ぶのが心地いいし自然だ。
頭に血が上った時と冗談で言う以外、「アンタ」とは言わない。
先日、若者と熟年男性が口論している電車に乗り合わせた。
熟年は若者に「オメー」といい、
若者は熟年に「アナタ」と言っていた。
年配者に対する気配り云々じゃない。
こういうときに、使い慣れない言葉などまず出ない。
きっとこの若者は大切な人を「オマエ」じゃなく
「アナタ」と呼んでいるだろうなと勝手に思い、
熟年はカミサンを「オマエ」か、もっとヒドい言い方で
呼んでいるんだろうなと、やっぱり勝手に思った。
しかも言い合いしている内容は誰が聞いても
若者の言い分の方が正当で、熟年は傲慢だった。
親でも子でもアカの他人でも“you”で済んでしまう英語に比べて
なんと言葉のバリエーションの多いことか、日本語は。
でも言葉ひとつでその人間関係や人柄までが滲み出るから
言葉選びがより大切で、そして情緒が伴うのだとも思う。
「アンタ」でもぜんぜん気にならない人がいれば、
「アナタ」と言われただけでちょっとシアワセに思う人もいる。
でもワタシはシワクチャのオバーちゃんになっても
やっぱり「アナタ」がいいな。
そしてもちろん「アナタ」と言っていたい。
言われたくない言葉は相手にも使わない。
自分がして欲しいことをしてあげたい、
そう思う人でいたい。
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| 私って | 18:35 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑
あんた
アンタより好きになれる男なんておらへん、なんて大阪弁で女の子が言うてくれるとそれはそれは良いものなんですよ
| うっちー | 2014/06/05 16:23 | URL |