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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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「再婚できなかった女」曰く

昨日掲示板に貼り付けた白河桃子女史による「結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女」が、男女問わず反響を呼んでいる。著者含め、反響した連中がみな60年代生まれで、しかもみな独身だったこともあり、身に覚えのある表現にチクリとやられたのだ。

でも私は彼女の洞察する60年代生まれ像とはちょっと違うような気がする。そもそも、もうウエディングドレスを着たいとはおもわないし、見世物のようにひな壇に祭り上げられて、歯の浮くような祝辞を聞きたいなんてことも思わない。
20代。私は超がつくほど結婚願望が強かった。19歳で知り合った彼といきなり「結婚」を考えて親を呆れさせたし、結婚を意識した男選びをしてはいないくせに、馴染みはじめるとすぐに結婚を意識した。30歳までには何がなんでも結婚しないと、描いた自分像が壊れてしまうような気がして、それこそシャカリキで迎えた結婚式は、私が生まれて29年と38日が過ぎた日だった。ギリギリセーフ。自分だけがこだわったリミッターを切らずに済んだ安堵感で、あの頃の私はどんなに幸せだっただろう。でももうそのころの甘い想いさえ思い出せない。1年半でバブルとともにあっけなく弾けた結婚生活。その終わりとともに私の今が再構築されていったのだ。
タクシー券使い放題、いくら飲んでも領収書で落とせたバブル期に、確かに甘い蜜は舐めたけど「金」と「物」信仰意識なんぞはもうとっくに消えうせていて、20代に結婚した連中が、バタバタとまるで申し合わせたように離婚する様を見、社会的ラベルより情熱的レベル命と悟ってからは、金も名誉もなくてもいい!私だけを生涯愛しつづけてくれるのならば的謙り恋愛願望といえないくもない状態で、離婚からの10年を送ったのだ。ひとりの方がラクチンだと思ったことも、「結婚しない女」を気取ったこともない。自分は恋愛障害者なのか、このまま乾いた女で朽ちていくのか、そんなことに不安を感じて眠れなかったのは一夜やそこらのことじゃない。「ひとりで気楽でいいよね」という育児に追われる同級生の言葉に傷つき、カップルでごった返す繁華街にひとりで買い物に出かけては惨めになり、疲れて帰っても吐き出す相手のいないストレスを翌日も全身に背負ったまま、どこかにいるはずの出会うべき人を、ずっとずっと待っていたのだ。

「どこかにいるはずの出会うべき人」。すなわち運命の人。「やっぱりそうだ!あなただったんだ!」と思える人とはきっと誰でも生涯のうちに出会えるはずだ。それがいつやってくるかがわからないだけだ。「結婚しない女」たちは、そうはいっても待っている。今日か?明日か?と、キリンになって待っている。そう思えない人がいくらアプローチしてきても、妥協という苦々しい決断をしない限り、晴れの日を迎えることはない。
ここまで待ったのに…、今までひとりでやってきた曲がりなりにもデキる女なのに…、あんな男じゃ物足りない!情けない!…。いい子なのに、どうしていつまでも結婚しないんだろうといわれる「結婚しない女」たちの腹はこういうことだ。彼女たちの中で引かれているカテゴリー別最低線をクリアする「出会うべき人」がやってくるまでは、なんといわれようと妥協しない。女ひとりで生きているうちに身についたささやかな見栄と鉄壁のこだわりを鎧に、運命の日を待っているのだ。

自分の人生が幸せかどうかは、今判断することではないとずっと思っている。例え幸せだとその刹那に思ったとしても、「少なくとも今は」と付け加えなくてはいけないと。
命が果てようとしているとき、もう自分の命の火が消えようとしているときに初めて、生れ落ちてからの自分を振り返って考えるのが正解だろう。私は幸せだっただろうかと。
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