我弟にみる「目玉焼きの食べ方」
彼も私と同じく、まず黄身を丁寧に丸く切り取ってから、白身部分を食べるのだが、曰く「黄身っていうのはヒヨコになる部分だよ。神聖といってもいい部分でしょ。それを崩しておまけに皿に残すなんていうのは、黄身に対する冒涜だよ」くらいのことを熱く語っていた。さすが我弟。いうことがおもしろすぎ。
かつて母の定番メニューに、「ライスグラタン」なるものがあった。型を使ってドーナツ型に盛られたチキンライスの中央部分に、ホワイトソースをタップリ注いだ一品である。これがなぜ「グラタン」なのか。焼いて仕上げているわけでもないし、他にちゃんと「グラタン」や「ドリア」も登場していたから、勘違いってわけでもない。今となっては不思議だけど、なにしろ私達姉弟のお気に入りメニューで、友達が来ていたりすると、ねだって作ってもらって、となりで感動しながらスプーンを運ぶ友達に対して、ちょっと優越感に浸ったりしたもんだ。
その「ライスグラタン」を食べる時の弟の話し。
目玉焼きでさえ、それほどの信念のもと食する彼だ。
ライスグラタンに至っては、もうある意味命がけである。
中央に注がれたホワイトソースが1滴たりともその場から流れ出ないように、細心の注意を払いながらチキンライス部分を内側から食べ進む。時にホワイトソースをチキンライスにタラっとかけながら、味のコンビネーションを楽しむことも忘れない。
だけど、それだけ注意を払っていても、時として手元が狂い、決壊したチキンライスの隙間から、ホワイトソースが流れ出すことがある。
「あっ!」という小さな、しかし失望感てんこ盛りの声をあげた弟は半べそになりながら、それでも被害?が最小限にとどまるよう、ホワイトソースをとりまとめて、お皿に残るソースの量を極限まで抑える努力をする。
ケーキも然りだ。
例えばショートケーキ。
先端の三角形部分から食べ進み、残りが少なくなってくると、どうしてもバランスを崩してケーキが倒れることがある。倒れたときに、運悪く外側を飾る生クリーム面を下にして倒れた日には、彼はそれはもう大変な悲しみに包まれるのである。「内側に倒れる分にはいいの。外側はだめよ」らしい。
いいたかないが、万が一、残りのケーキが外側に倒れ、クリームが皿についた場合、彼はお皿を舐める。今でもそうなのか否かは、さすがに確認したくない。さらに縁遠くなったらコトだ。
そんなわけで、いくら家族とはいえ、弟とこういう部分の感覚が似ているのは不思議だ(私は皿まで舐めないけど)。だれが教えるわけでもない、生まれもった感性であるはずだし。
でも、だからこその血のつながりともいえるわけだが。
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Re:我弟にみる「目玉焼きの食べ方」(4/15)
黄身っていうのはヒヨコになる部分だよ。
いまだ誤解してるヒトがいるんだな(-_-メ)
黄身がひよこになるんじゃなくて,胚がひよこになるのね。黄身はそのための栄養なのよ。鮭の稚魚がイクラぶらさげてるっしょ?
あれとおなじねぃ。
| **(@_@)びー@もばいる | 2002/04/15 21:08 | URL | >> EDIT