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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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今時の若い母親 「それってどうなの?(251)」

休日出勤の総武快速線。
市川で空いた目の前の席に座って、珍しく買った林真理子の本を読みふけっていたら、どうも隣に座った母親と、膝に寄りかかるように立たせた5、6歳の娘の様子がおかしい。
マスクをしたその娘は無口で、母親に言われるがままペットボトルのお茶をほんの少し飲み、「気持ち悪いの?」という母親の言葉にもほとんど反応しない。
立っている父親と、その腕に抱かれた妹は元気で、まるで違う家族のようにもみえる。
東京駅が近づいたころ、それまで背中を向けていた娘を自分のほうに無理向かせた母親は、再度聞く。
「気持ち悪い?」
熱でもあるんじゃないのかしらと思った瞬間、娘が突然嘔吐した。
それまでずっと本から目を上げず、気配だけで親子を見守っていた私はさすがにたじろいだ。
咄嗟に両手で娘の吐瀉物を受け止める母親と、何を思ったか妹のジャンバーを雑巾代わりにしようとしている父親と、ただその顛末を傍観している妹と、吐いたのが自分だということを受け止める気力もなさ気な蒼白な娘。誰が何をどうすればいいのかわからない風情の一家をみて、バッグの中のティッシュを出そうかと本をたたんだ時、向こう側に座っていたご婦人が先にティッシュを差し出して、呆然とする娘の口元に手を伸ばした。続いて父親が早く出せばいいものを、やっとコンビニの袋を母親の手元に出して、タイミングよく到着した東京駅で一家は下車していった。
わずかに汚した床を申し訳程度にぬぐっただけで、ティッシュを渡したご婦人はおろか、私にももちろんなんのクスキューズも残すことはなかった。
娘が吐いてから一家が電車を降りるまで、母親が発した言葉はただひとこと、「かわいそう」だった。
自分の差し出した手のひらにダラダラと吐く娘に対して放たれた言葉。
母親でなければ言えない。
私は母親ではないから、彼女の心理はわからない。
確かに自分の子供が具合が悪ければ、かわいそうだと思うだろうけど、でもそこは公共の場、走る電車の中だ。トイレでも道ばたでもない。まず気遣うのは、周囲と次にその席に座るかも知れない誰かであるべきじゃいのか。

一家が降りた後、当然ながら鼻を突く臭いが漂った。
見送るでもなくドアの外に目を泳がせ、そうして汚れが残っている床をみていたら、同じように床をみているティッシュを渡したご婦人と、図らずも一瞬目があって、でも特に意志を通わせることもなく逸らした。
きっと子を産み育てたのであろうご婦人は、あの母親の行動をどう感じたんだろう。
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