311の大地震で帰宅難民を経験した時点で、
正直、自宅までの正確な経路を知らなかった。
バイク通勤で使う356号は信号がないのでラクな分、
距離的にはかなり遠回り。
最短コースで帰宅するルートはほとんど頭に入っていなかった。
地震当日、浦安在住のスタッフに付いて永代橋を渡ったのはいいけれど、
それは船橋までの最短コースとはズレていて、
彼と別れてから先のコース取りは行き当たりばったりになるはずだった。
新橋から10キロ地点の葛西橋で泊まれたのは願ってもない幸運だったけど、
改めて正確なルートを確認して、頭に入れておかねばと思うのは、
いくら根拠のない自信だけで生きてるワタシといえども、
遅すぎるくらいの防災準備なわけで。
でも…と、この件ではいつも思考が立ち止まる。
新橋から船橋までの約24キロはやたらと橋が多い。
隅田川、旧中川、荒川、新中川、江戸川と、大小合わせて5つの川を
越えなきゃならない。
ひとつでも橋が落ちたら自力帰宅の道は絶たれるのだ。
自宅にはそこそこの非常持ち出しグッズを準備しているものの、
会社にはほとんどといっていいほど備えがない。
通勤時間や呑んでる時間を考えると、
家にいるときに被災する確率は思いのほか高くないのに、
自分こそ大いなる片手落ちじゃあないの。
今回の被災地でも、職場から何も持たずに避難した人たちばかり。
これほどまでに凄まじい前例を見せつけられてもなお、
十分な備えをすることはなかなかにして難しい。
そしてもっと思うのは自分だけ備えていても意味をなさないということ。
備えのない人が周囲にいれば、自分が用意した食料や装備を分け与え、
場合によってはすべてを差し出さずにはいられない事態に
さらされるかもしれない。
みなが同じような心構えでいないと、
結局は共倒れになる可能性も高いんじゃないか。
まずは、家までの道が曲がりなりにもつながっていて、
オフィスが入っているオンボロビルも倒壊を免れるという想定で
心と装備の準備をしておくしかない感じ。
今日明日にでもくると言われ続けている首都圏直撃の大震災。
家と勤務先双方で、想像力をもりもりと膨らませながらの準備が
Xデーの自分の運命を左右するのかもしれない。
そして願わくば、足腰がしっかりしているうちに
くるなら来いと思うのだ。
無印発の備え考はこちら。
ぜひ参考に。