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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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帰省ツー7日目:フェリー -all day long- 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

慣れない揺れと振動で、
熟睡できないままぼんやりと目が覚める。

起きることができたら見ようと思っていた朝陽。
カーテンの外がやや白み始めているのをみて、
相変わらず誰もいない甲板にでてみた。

昨夜よりも圧倒的に大きくなっている揺れの中、
ふらつきながら広い船尾へ。
早朝の甲板

スリッパを履いた足でよたよたと反対側の船首へと移動。
船上の朝陽
うっすらと赤みを帯びた水平線。
日の出にはもう少しかかりそう。

ふっと軽くなったカラダに再びGが掛かかる。
何度か繰り返すうちに嫌な予感を感じて、
またふらふらとしながらトイレへ。

完全な船酔いだ。

やれやれと、また眠りについて目覚めた8時過ぎ、
空腹を感じて朝ご飯。

窓際の明るいテーブル席で食べている私のもとへ
ご老人がやってきた。

「おいしい?」
まるで幼い子どもにでも言うように微笑むオジサマ。

「ボクはこれだからあまりモノが食べられないんだけどね」というと
食事中に悪いがといいながら、いきなりシャツをめくって胃切除の跡を披露。

やがてご自分も6Pチーズを手に向かいの席に戻ってきた。

親戚の結婚式出席のため、小倉から東京に向かうというオジサマ。
聞けば父と同じ75歳。
帰る日も決めず、のんびりした旅なのだという。

飛行機なら1時間半でついてしまう距離を船でいくなんて、
これに乗っている連中はみんな変人だといって笑う。

そして身の上話など交わすうち、
アナタもボクも時間がないね、と。
「アナタは忙しくて、こうして人生を楽しむ時間がない。
ボクはもうこの先、生きることが許された時間がないでしょう?」

アナタのように大冒険がしたいけど、もうどうにも体力がないと
海を見つめながら語る言葉に、鼻の奥がツンとしたのは、
恐らくは同じような思いを抱いているのであろう父や母の影が
重なったからだ。

仕事からも、子どもからも離れて、いざ人生のやり残したことを
満喫したいと思ったとき、しかしそこには財力こそあれ、
肝心の体力と気力はないということだ。

私がこの歳になって免許を取ろうと思ったとき、
乗り始めるにはギリギリの年齢だろうという
切羽詰まった思いがあった。

恥もケガも屈辱もものともせず、がむしゃらに取り組めたのは
やり残したくない、後悔したくないという想いがあったことに
他ならない。



小一時間もそんな話をするうち、船内には徳島が間近という
アナウンスが響いてきた。

徳島間近
船首では着岸を前に乗組員が大忙し。

ここで延々2時間もの停泊。
揺れないうちにと、また貸切状態で朝風呂満喫。
寝て食べて湯船に浮いて…。
フェリーって実はとっても贅沢じゃなくって???

だってこざっぱりした頃にはまたお昼。
食堂の自販機を物色して回って、
「とれたて弁当」がチンされて出てくる
「とれたてキッチン」にトライすることに。
とれたて自販機
悩んだ挙げ句、ミートソースをチョイス。
定価300円が、なぜか東南アジア並みの200円!?
とれたてのミートソース…?
でもボリュームは200円で納得な程度。
男性はひとつじゃ物足りない量。
ギャル曽根なら30個はイケそうだ。

食後もテーブルでまったりとしていたら、
ランニング姿のバイク乗りがやってきた。
乗船時、ひどく足を引きずっているのをみて
係りの人から冷却用に大量の氷をもらい、
母から持たされた湿布を分けてあげた若者だ。

多摩から一般道を20時間走って九州まで行き、
4日目の早朝に鹿児島で右折の○クザのベンツを避けようとコケて
バイクもだましだまし走行となったためフェリーにしたという。
時間がなく、医者にも行っていないという本人も
右の肩や肘の擦過傷、足の親指の捻挫(たぶん)で
クラッチ操作は踵でやってきたんだとか。
乗船のときはエンジンが掛からず痛む足で押しがけしてた。

悲惨だ。

痛みはどう?と声を掛けると、昨日よりはマシとのこと。
自分のカラダよりもしきりとバイクの具合を気にしていたけれど、
自走して別ルートで帰ったという相棒のペースに巻かれて
あまり寝ずに走っていたという彼に、
無謀な割に、こんなもので済んでよかったのでは?と
自分のことはさておき、軽く姉貴ぶって忠告しておいた。

食後の思いがけないデザートは、大工のDS750乗りさんから。
ごっちゃんです。
みつ豆買うつもりが間違えたとのことで、ありがたくゴチになる。

部屋に戻ってうとうととした、実に気怠い昼下がり。
退屈は絶好調に達する。
日焼け覚悟で出た甲板は、それはもう強烈な日差し。
太平洋
当たり前なのだけれど、船しかいない。
しかも、ときどきしか見えない。

手摺りから下を見おろせば白い波しぶき。
白い波

オジサマがさきほど言ってたっけ。
ここは黒潮だから海が黒いよと。

美しい海。
青く澄んだ空。
朝の揺れが嘘のように穏やかな波。


しかし、暇だ。


緑色の甲板に映る影ですら、遊び相手にしたくなる。
影が楽しい
ありあまる時間は、クリエイティビティーをくすぐることも
あるのかもしれない。


早めの、しかも200円ぽっちのランチだったせいで、
なにもせずとも早めにお腹が空く。

ここでいよいよ、乗船以来チャレンジャー魂をくすぐられ続けていた
最高級(なのか?)冷凍寿司に満を持して挑戦!
お寿司の自販機
事前にブロ友すぴーどさんから情報を得ていたとはいえ、
まったくイメージできていなかった冷凍寿司。
堂々たる自販機構えだが。

お寿司パッケージ
500円なりを投入すると、こんなしろものが“ゴトン”と出てくる。

チン
紙箱から出し、ビニールのパッケージを取り、
専用電子レンジに入れてスタートボタンをピッ。

シャリとネタが馴染むまでしばし待てとある。
いくぶんなま暖かいお寿司はしばらく放置することにして
スーパーで仕入れてきた菊水ふなぐちを食前酒に、と。
今日も日のあるうちからアルコホオルをいただく。
ふなぐち!

そうして食べ頃になったころを見計らってお寿司を…。
お寿司完成
ある意味情けないのかもしれないけれど、マズくない。
ネタはデロっとしているでもなく、解凍モノとは思えないし、
シャリも決してダンゴ状ではなく、パサついてもない。

環境と値段を考えれば充分アリではなかろうか。

追加したビールでほろ酔い気分の中、
太陽は早くも水平線へと落ち始める。
私の一日が怠惰だろうが、激しかろうが、
やがてくる明日のために、日はちゃんと落ちるのだ。
日が落ち始める
船尾のど真ん中のベスポジを占領しての独占撮影。

カメラを構える人が三々五々いる船尾。
ベンチに腰掛けて夕陽を見つめる。
日没間近
朝陽には決して感じない切なさが、なぜか胸を突く夕陽。
雲の間に見え隠れしながら落ちてゆく橙色のそれは、
それでも上空にたなびく雲を昼間のように照らしながら、
地球の裏側の朝をもたらす。

夕陽を見ると、泣きたくなるのはなぜなんだろう。
陰影の劇的な美しさに惹きこまれながら思った。


旅の終わりは、
たくさんの想い出と切なさで、複雑なものと決まっている。

明日は東京。
夢実現の充足感に浸る間もなく、
淡々と日々繰り返される現実がまた始まる。

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| 帰省ツー | 17:03 | comments:12 | trackbacks:0 | TOP↑

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帰省ツー6日目:福津~新門司~フェリー 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

9月6日の出発以来、はじめてたっぷりと睡眠を取った11日朝。

お約束のように毎朝母から繰り出される
ボリューミーな朝食メニュー提案をことごとく却下して、
バナナと母が焼いた栗入りパン少々の朝ご飯が終了。

夕方ところにより雨になるという予報に反応した父が、
早めに出た方がいいと言い始める。

午前中には準備を終えてな。


そう。
この日は東京へ向けてフェリーに乗船する日。
実家最寄りの古賀ICからフェリーターミナルがある
新門司ICまでは50kmと少々。
小一時間もあれば余裕で到着する道のりではあるけれど、
荷物を宅配便に出したり、夕食を買い込んだりと
やることは山積みだったのだ。


それにしたって出航は午後7時。

まだ朝8時にもならないというのに、
せっかちな父から出されたミッションに、
怒濤の出立準備が始まる。

不要な衣料やおみやげ関係を宅配便にするべく段ボールに詰め、
メットを拭いて、シールドには水はじきスプレーを塗布。
バイクカバーを袋に収めて、WOOを軽く磨いてやる。



お昼をいただいて、ひと眠りしようかなどと思った昼下がり。
突如降って沸いた不安に「あっ」っと声をあげ、
リビングで新聞を読んでいた母の肝を潰しかける。

昨日ふたりで試行錯誤のリペアを行ったライディングパンツの
ニーパットを元どうりに入れた記憶がまったくないのだ。

母の裁縫部屋に吊したままだったパンツの元へ走る。
が、もちろんニーパットは付いていない。

それからは実家をあげての大捜索。
決して広くはない実家とはいえ、
私の家に比べれば、
ニーパットが転がっている可能性があるエリアは広い。
作業をした裁縫部屋、私がパンツを持って歩いたリビング、
にわかマイルームとなっている父の書斎、
そこと裁縫部屋を繋ぐダイニングとキッチン…。

「なんでいまごろそんなことになるんだっ?」
手は動かさないくせに、詮無いことをいう父。

「おっかしいわねぇ…」と真顔でかけずり回る母。

そして、まさに血まなこな私。

結局裁縫部屋を徹底的に探していた母が
ミシンデスクとゴミ箱の隙間からパットを発見したのは
事件発生から約20分後。

焦りと暑さでかいた滝汗をシャワーで流して、
「お騒がせしました…」と両名にアタマを下げる。

すでに新聞のスクラップなど始めている父は
「ほい」とひとこと。

「見つかってよかったわ」と母。

どっと疲労。
が、寝る暇など残っていない。

午後3時半。
両親のクルマと共に実家出発。
宅配便を出して大型ショッピングセンターへより、
おにぎりその他を仕入れる。

インター手前で両親と手を振り別れて、走り出した九州道。
こういうときに限って当たる予報通り、
ポツポツと雨粒が落ち始める。
鞍手PAで早めにレインウエアを着ようと立ち寄ると、
着終える頃には本降りに。

「習志野ですか!?どこまで?」
サラリーマン風の男性が声をかけてくる。

「千葉までです。フェリーで」

「あぁ、じゃあいっしょだぁ」

降る雨の中、方向転換の切り返し中でろくに目線もやれなかった男性。
フェリーで会えるさと、さっさと出発。

雨足はあっとう間に激しさを増す。
前をいくトラックが作る水の轍におののきながら
集合時間の6時まで1時間を切ってしまっていることに
いくらか焦りを感じる
制限速度が雨のせいで50キロ規制になってしまった道を
そこそこオーバーめに走る。

5キロ手前でやっと現れた「新門司」の標識に安堵したころ、
一気に小振りになった雨。

ICを降り、大型ダンプに囲まれながら
5時半過ぎ、無事に東九オーシャンフェリー乗り場着。

すでに8台ほどが並ぶ岸壁に駐車すると、
ヘルメット姿の係員がやってきて
事務所2階で受付するよう指示をくれる。

念のため車検証を持って受付へ。
乗船申し込み用紙に、氏名や簡単な住所の他、
WOOのナンバー、排気量、サイズを記入する。
サイズは暗記していなかったので、車検証を持っていって正解だった。

バイクは中型と大型は料金が違うのだけれど、
大型は750cc以上となるため675ccしかないWOOの場合は中型料金。
何千円か安くなる。
それでも東京までの運賃は26,600円。
走って帰った場合の高速代やガソリン代、宿泊費、食事代他と
果たしてどちらが安いのかはまだ検証できてないけれど、
今回に限って言えば初体験ということもあって
このチョイスは決して不本意じゃない。

受付でもらった「東京行き」とデカデカと書かれた紙を
ヘッドライトに貼って準備完了。

隣りに停まってたDS750の新潟から来た大工のライダーさんに
船撮るならバイクも入れなきゃぁー、といわれ
何枚か撮り直したベストショットはこれ。
新門司フェリー乗り場
想像以上に大きく壮観な眺めに、ちょっとドキドキ。

そうして6時過ぎに乗船開始。
慣れない鉄板敷きのバイクスペースに誘導される。
「ローギアでハンドルロックお願いします」という係りの方の声。
ものすごい暑さから逃げ出したくて、2階分の階段を駆け上り
客室フロアへ。

今回私が選んだのは、東九オーシャンフェリーのカジュアルフェリー。
二等客室のみで、希望すればレディースルームが利用できる。
フェリーのお部屋
私にあてがわれた202号室は二段ベッドが3台入った6人部屋。
同室は自称フリーターの若いお嬢さんだけだったので、
贅沢に使えた。

荷物を部屋に入れ、濡れたレインウエアやジャケットなどを
狭い部屋になんとか干して、
ジーンズに履き替えてロビースペースへ出てみる。

食事は電子レンジ加熱で食べられる即席ものと、
ampmのとれたて弁当の自販機があるのみ。
他にお菓子やつまみ、アイスクリーム、ドリンク、ビール、
カップ酒の自販機もある。

ビールの自販機を見た途端、我慢できずに一本買う。
350缶が250円。
一般のほぼ倍だけれど、買って乗ってもぬるくなるので
ここは致し方ない。
フェリーで乾杯
まだ出航前だというのに、オンナひとり、ビールを煽る。

やがて7時に出航。
揺れはまだ気にならない。
混まないうちにとお風呂をチェック。
5、6人ほどが余裕で入れる広さ。
貸切り状態だったので迷わず入る
フェリーの浴場
夕陽に照らされた海を眺めながら極楽な湯心地に浸る。


夕食は仕入れてきた古代米おにぎりなどを部屋でいただく。
部屋のテレビは電波がまともに入るのはNHKだけで、
さっそく手持ちぶさたに陥る。

横になれば細かな振動と、地鳴りのようなエンジン音が
常に鳴っていて、安眠は期待できそうもなかった。

夜が更けてから甲板に出てみる。
鉄扉を開けた途端響くゴーっという大きな音。
吹き付ける強い風。
海と船の境が辛うじて見える闇。
ここにいてはいけないような
とてつもない孤独感。

やや湿気を帯びた風になぶられながら
最後尾のベンチに腰掛けても落ち着かず、
あっけなく部屋に戻る。

耳栓を持ってきていることを思い出して、
耳に入れてみる。
いくぶんエンジン音が遮断されて
知らず知らず眠りに落ちていた。

| 帰省ツー | 12:25 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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