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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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アテネ五輪 期待という大罪 「☆アテネ五輪☆(4359)」

じっとりとまとわり付くような暑さにもめげず、家に帰り着いて驚いた。井上康生が決勝を待たずに敗退しているじゃないの。買い物袋を降ろすのも忘れてチャンネルをあちこちチェンジしても、やっぱり画面に映し出されるのは準決勝で畳に倒されたまま、天井を仰ぐ井上の姿ばかり。はぁぁぁー?なんで…?
日本中の誰もが思ったこの「なんで?」な気持ち。負けた試合がこれほどまでに長々と繰り返し報道されることはあまりない。これはとりもなおさず「絶対金!」を確信していた周囲の期待が外れた現れ。彼の敗退に、このみんなの期待の大きさが影響していたことは想像に難くない。「こういう結果になって申し訳ない」と詫びるあたり、ここにも周囲の期待の大きさをいやというほど味わってきた彼の悲壮が漂う。でも…、だからって…。それでもみんなはそう思う。「あの井上なら絶対って思ったのに」と。
実は壮行会の時点から、井上はやや落ち着きにかけていたという話もある。事前の練習で組んだ選手が、井上から感じた異常な緊張の様子をコーチに耳打ちしたという話も。日本中の「ノリ」的な期待、関係者からのリアルな期待、体調を崩しているお父さんのためにもという、新たに自分に課したミッション。負ける気がする相手はいないとまで自ら言い放った強者でさえも、目に見えないプレッシャーを跳ね返すことはできなかったらしい。
相手に負けたことよりもむしろ、押しつぶされそうになりながら期待という重圧と戦い、その挙げ句に実力を発揮することも叶わなかった井上康生の気持ちを思うと、思わず鼻の奥がツンとする。その無念さはいかばかりか。消え入りたくとも逃げも隠れもできず受けるインタビューは空しかろう。あの状態で口にすることなんて、自分の言葉になっているはずがない。そんな薄っぺらな言葉を、それでもいわねばならない歯がゆさはどうだ。
ひどく切ない気分のまま口にしたビールは、どこか気が抜けた感じがした。

そしてもうひとり。期待に応えられなくてすまないというコメントを残して檜舞台を後にした選手がいた。卓球の愛ちゃんだ。
これまで15歳とは思えない精神力の強さとテクニックで勝ち抜いてきた彼女。曲がりなりにも今の彼女と同じ歳のころ卓球に明け暮れた私は、彼女のゲームを見ているとひどく疲れた。そんな球無理!カットしすぎ!あー絶対ダメ!と自分を基本に思ってしまうからだろうか。でもそんな相手の球をことごとく拾い、そして間髪入れずに攻める愛ちゃんの卓球。天晴れとしかいいようがなかった。
でもベスト8入りを逃した彼女がインタビューで言った一言は「メダルを取ってきてねっていわれてたけど、それができなくてすみません…」。
またまた私の「切ない壺」に涙が溜まる。初出場の、しかも15歳の選手にメダルの期待をかけてプレッシャーを与えるのはいかがなものか。出たからにはメダルを!という発想は、あまりに胆略的すぎやしないか。オリンピックでのメダルは、世界を制した証なのだ。そう急ぐ必要はないし、そればかりをすべての評価にすることはないんじゃないかと、私は思うんだがな。
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