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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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‘家族狩り’がリアルに思えてしまう現実 「最近、読んだ本を教えて!(84695)」

長崎で起きた女子小学生同士の刺殺事件。徐々に全容がわかるにつれ、今の子供達の危うさに呆然としてしまう。
チャットで気に入らない書き込みをされたからといって、親しかった友達を殺めてしまう短絡さと、沸き起こった殺意を3日間もの間持ち続けていられる執念深さとが、非常にアンバランスな気がして、なにしろことごとく理解に苦しむ出来事だ。思い起こすには時間が経ちすぎているけれど、すくなくともその時分の私はそんな精神力も激情も持ち合わせてはいかなった。
奇遇だけど、天童荒太の5部作「家族狩り」を昨日読み終えた。知り合いの役者近童弐吉から、友人が書いた本だと渡された「永遠の仔」を読んだのは、もう4年?いやもっと前だったか。家庭内暴力や幼児虐待をテーマにしたこの小説は、安穏と育った私にはひどく衝撃的で、弐吉さんに天童さんのひととなりを思わず尋ねてしまったほどだ。その後この小説はドラマ化され、私の記憶により深く残ることとなったのだ。
そんな天童さんが毎月1冊発刊というレアなペースで文庫を出すと知り、1部、2部と買っては敢えて読まずにおき、5部が発売される今月に入ってからやっと4部までを買いそろえ一気に読み始めた。
「家族狩り」はこれもまたタイトルから想像できるように、家庭内の問題を扱った小説。家庭内暴力を続ける我が子に手をかけてしまった夫婦が、同じく問題を抱える家庭を救おうと電話相談室を開くが、手に負えないとみるや、これ以上の不幸を世間に広めてはいけないのだという独自の思想のもと、さもその家の子供が親を殺したように見せかけながら一家皆殺しを繰り返すという内容。登場する子供達はみなピュアな心を持ちながら、大人達よりもずっと冷静に世の中の理不尽を見ている。結局は自己犠牲を嫌い、責任のなすりあいをする両親の様を実はしっかりと見て考えているのだ。

そういえばそうだよね、と思うことがある。
「あっぱれ!さんま先生」という番組があるけれど、あれが始まった頃、今の子供達はなんて大人なんだろうと呆れたことがある。もちろん口が達者なだけだろうとは思ったけれど、大人を喰ってしまいそうなことを次々と口にする様は、いかに周囲の大人の会話を日々しっかりと頭に入れているかを物語っていると思ったのだ。その子たちはもう思春期くらいか。やたらと訳知り顔なものいいをしていたあの子たちは、健全な子供に成長しているだろうかと、そんなことすら心配になる。
かつて、私たちが若かった頃にも‘不良’と呼ばれるひねた連中はたくさんいた。でも今の子たちは全く異質なねじれ方をしているように思う。昔は二十歳も過ぎればみな更生し、逆に不良だった人の方が家族や命の大切さをわきまえて、まじめに生きているくらいだ。今の子たちのささくれだってしまった心を元に戻すことは容易ではないのではないか。さらに恐いのは、このねじれが必ずしも外見に現れてこないことだ。パッとみはいい子なのに…、というケースが多いのもこのためだろう。
普通の子だったのに…。勉強のよく出来る子だったのに…。事件を起こした子供の評価はいつもこんなもんだ。子供の数が減り、以前よりももっと目が届くようになっているはずなのに、誰も本質を見ていない。自分で命を絶つ小学生なんて、昔じゃあり得なかったことだ。みんないったい何が欲しいんだろう。大人に何を望んでいるんだろうか。
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