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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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ただいま

今まで帰省するといえば、両親の空港までの出迎えと見送が当たり前になっていた。
が今回は、着いた日が通夜当日だったので当然斎場まで電車を乗り継いで駆けつけ、今日の帰京も最寄駅まで車で送ってもらい、あとはまたJRと地下鉄を乗り継いで空港に向かった。父の疲労の影が深かったからだ。
いくら89歳の老衰死とはいえ、父にとっては紛れもない「母の死」である。精神的、肉体的疲労はいうに及ばず、精神的ダメージがないはずがない。兄弟達が涙する中、最期のお別れの時にもまったく崩れなかった父はきっと、私や弟がいつもの生活に戻ったころに堰を切ったように悲しみに包まれるんじゃなかろうか。
祖母か母か。どちらが先に壊れるかとすら思えた長い介護生活を終えた母も然り。ストレスが無くなってしまい過ぎるのも、それはそれで心配である。

何のための老後か。
生きるのか、生かされるのか。
いろんなことを考えさせられる。
結論はでそうにもない。
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喪中なれど玉三郎

親戚縁者に20年以上も無沙汰していた私。従兄弟の大人っぷりや老けぶり、叔父や叔母の年齢にしみじみと時の流れを感じた。ってことは向こうも向こうで私の変貌に何かしらを感じないはずはないわけで、「ちっとも変わらないわねー」あり、「ひとりで気楽でよかねー」あり、「きれいになって女優さんのごたー」と、明らかに取ってつけたとしか思えないお世辞ありと、いろんなことを言われた。「お嫁さんは?」と地雷を踏まれていた弟に比べ、ダンナのことも子供のことも聞かれなかったのは、逆に妙に不思議である。みんなの中で私がどういう属性として意識されているのか、逆に不思議な気がした。
ところで、その20年ほども時間が経過した中で、現在肺がん治療中のため欠席だった父の妹の所帯の増え方にかなり驚いた。彼女は4人の子を設けたので、それだけでも4人の従兄弟がいたわけだけど、逢った事がなかったのだ。で、その4人のうちふたりが所帯を設けていて、子供も生まれていたりして。つまり逢わないうちに7、8人も所帯の人数が増えていたのだ。それに比べて私も弟もろくな結婚もできず、当然ながら子も産めず、20余年が経過しても相変わらずの4人家族なわけで、こんなことで本当にいいんだろうかと自責の念にかられてしまった。
人それぞれ十人十色の人生があって何が悪い!と、普段はまったく気にもしない自分の生き様だけれど、田舎に帰って親戚縁者が集まるシーンがこんなタイミングで催されると、どうにもなんだか浮いているような気になってしまった。

昨日あっという間に祖母の葬儀が終わり、それでもまだまだ諸手続きに追われる中、前々から玉三郎博多座公演のチケットを予約していた母は出かけていった。当初、母本人は行けるかどうか懸念していたのだけれど、こういうときだからこそ行くべきでしょう。しかも玉三郎、初の博多座公演とくればなおさらだ。晴れて3時間半もの舞台を見終えた母は、「どうだったんだ?」という父に、「すばらしかった!ほんっとうにキレイだった」と感激の様子。このときチケットが18,000円もしたことを初めて知った父は一瞬フリーズしていて、さらに嬉しそうに広げたプログラムが2,000円だったと聞いて、私と父は「2万円!?」と再度顔を見合わせてあんぐりしたのだけれど、ここまでの長く続いた姑の老々介護生活をこうして乗り切ったのだ。誰が文句をいうものか!いーじゃんいーじゃん!妖艶な玉三郎に2万円!よかったよかった!

ってなことで、夜は天神の峰松でうどんすきの夕食。あわせて取った刺身の盛り合わせに陶酔。1センチ以上もあるハマチの刺身。ゴリゴリである。細かな賽の目の包丁が美しいイカの甘みはどうだ。上品な香りの鯛もすんばらしい歯ごたえ。これぞ福岡の刺身である。やっぱり絶品なり。
うどんすきは琥珀色の出汁で豚肉、カモ肉、鶏つくね、白菜、きのこ類、丸餅、春菊、ねぎをひとしきり食べた後、太くてそれでも讃岐とは明らかに違う、ほどよいコシのあるうどんをさっとくぐらせていただく。紅葉おろしとあさつき、酢橘であっさりといただける。もうお腹ははちきれんばかり。おいしいものは足りないくらいがいいとはいうけれど、苦しいとわかっていても食べてしまう。それほどにうまい。
いつも帰省すると福岡の味に唸るけど、今回は3日目にしてやっとうまいものにありつけた。
はぁ満腹なり。

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