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なおねおなおん -naoneonaon-

いつか振り返る日のためのワタシメモ

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帰省ツー2日目:大阪南千里~島根県益田 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

朝5時前、ひとりでに目が覚める。
窓からの眺めに雨の跡や気配はない。

身支度をしながら、ウィダーインゼリーの朝食を終えて、
7時前に中国池田ICから中国道へ。

日曜日のせいか通行量はひどく少なく、
路肩にバイクを停めて写真を撮ることが
なんの躊躇もなくできてしまう。
南千里を出て一時間もしないうちに、
空と雲と周囲の緑と、テーパーをかけながら延びる
アスファルトの道しかない風景が続き始めた。
中国道1

写真を撮った以外はノンストップで上月PAまで走り、
ペコペコのお腹をおにぎりで満たしたのが午前9時。

やがて道は兵庫県から岡山県へと入り、
クルマの影はさらに減る。
中国道岡山
噂に違わぬ中国道の閑散振りは呆れるほどで、
通過しながら目をやるPAのほとんどには
バイクはもちろん、クルマの一台もいない。

文字通りのオンナバイク乗りのひとり旅。
ぶつからずに歩けないような人混みに揉まれる日常に
しかめっ面をしながら耐えていたのは、
たった2、3日前じゃなかったか。

見渡す限り人影がないこんなところを駆っ飛んでいるアタシも、
あの日と同じアタシなのに、どこの時点からか
いつものあのアタシではないアタシに変身してる気がして、
疲れなど、眠気など、そして一番苦手な寂しさなど
感じることさえ忘れてた。


中国道はやがて広島県に入る。
給油所がひとつもない浜田道へ入る手前の最後のSA、
七塚原で給油して、ひたすら長閑な安芸を抜け、
この日最後の高速道路、浜田自動車道へと入る。

すると、ポツ…、ポツと落ち始めた雨粒が、
あっという間に大きくなって、
路線バスの停留所へ避難。
初日の大黒ふ頭以来またレインウエアを着込む。
毎日ちょっとずつ降られてる。
でも、そんなにいやじゃない。
停まってエンジンを切って、サイドバックのレインウエアを着て、
違ったニュアンスで走るのもまた、いいかなと思える。

でも「着れば止む」ジンクスはここでも効いていて、
60kmほどの浜田道の終点浜田へ着いて、
道の駅ゆうひパーク浜田に着く頃には
また青空が覗いてた。

昨日は太平洋、そして今日は日本海。
日本を、満喫してる。
感無量。
浜田の日本海


バイクに乗るとお腹が空く。
すでに午後1時を回っておなかはペコペコ。
きっとおいしいお魚がいただけるだろう…と、
いそいそとレインウエアを脱いでたたみ、
メットを取り、サングラスをかけ、
シートの荷物に足をかけないよう上手にバイクを降り、
いざ!と建物手前にある3段ほどの階段を上ろうとして…
コケた。

躓いただけならまだしも、
地面に立派に手を突いて。


ただでさえオンナひとりのバイク乗りが目立っていることは
パーキングエリアにバイクを入れたときから気付いてたから、
そのコケの顛末を眺めていた人は、そこそこいたに違いない。

言い訳をするわけじゃあないけれど、
出発から5、6時間も走ってバイクを降りると、
時としてよろめくこともある。
足が一瞬がに股チックになって歩きにくいこともある。

たぶん、きっと、そんなことも一因の
立ちゴケならぬ、歩きゴケだったのだ。

何ごともなかったように立ち上がって建物内に入る。
手のひらに埋まってしまった胡麻粒ほどの砂利を
周囲を歯で噛みながら吸い出してため息ひとつ。
でもこれできっともうコケることはないわよと、
思いこもうとしていた。
昨日からの快走を思えば、むしろコケる気なんかしないわと
そう思ってた。
このときは…。


そんな勢いだからフードコートなんかには目もくれず、
景気づけに和食処へ入って漁師風御膳1,300円をいただく。
昨日の約半額とはいえ、非日常なランチが続いている。
ビールが飲めないのは不思議と平気だ。
飲めないときは飲みたくならない。
ひょっとしたら私はものすごく卓越した順応性の
持ち主なのかもしれない。
お野菜たっぷりのお刺身サラダ風が美味だった。
漁師風御膳1,300円なり

昨年世界遺産に登録された石見銀山のある島根。
お土産コーナーには、石見もののラインアップが目立つ。
県内とはいえ、行ってもいないところの土産を買うのは
粋じゃない。

特に心惹かれるものもなくWOOに跨る。

私は根がせっかちだ。
気の短い父の性分をまんま受け継いだらしい。

晴れ晴れとした日本海の美しい風景にのんびり浸るでもなく、
再び海沿いの9号線をひた走る。

なもんだから、チェックインに30分も早い午後2時半、
益田のホテルに着いてしまった。

昨日からの走行距離や燃費などをメモして時間を潰し、
3時にチェックイン。

すぐにホテル周辺を散策して、
コンビニでビールと明日の朝食を仕入れる。

シャワーを浴びたいところなんだけど、
雨に濡れて汚れたWOOを先に磨いてやらねばと、
ビニール袋に水を入れてパーキングまで行き、
持参したウエスで洗ってやった。

やることをやって落ち着いたところで
ゆっくりとシャワーを浴びてやっと寛ぐ。
グリーンモーリス益田
日焼け気味になることを予想してもってきておいた
Q10配合フェイスマスクで決して公開できない顔になりながら、
クーラーを利かせた部屋でビールをちょっと…で、
至福のうたた寝…。
Q10パック

夕食は、出前してくれる割子そばを狙っていたのに、
今日は出前サービスはお休みです…とのフロントの回答にがっかり。

ならばとふたたび周囲を歩いてみたものの、
ハデな電飾看板がチカチカ瞬く居酒屋や、
人っこひとり入っていない薄暗い回転寿司やや、
ライブ予告が掲示されているカレーのお店、
「営業中」の札が掛かっているのに引き戸が開かないそば屋など、
ことごとく気を殺がれる店ばかり。

ホテル内の高級和食やしかないんだろか…と戻る途中、
目に入ったのは「大阪王将」!
餃子&ビールでいーじゃない!と、指を鳴らす。
夕方なのに、閑散とした店内がどうも気に入らず、
6個入り210円をテイクアウト。
よく見るとほとんどのメニューがテイクアウト可能なので、
ついでに炒飯もオーダー。


かくして昨日の鱧から一転。
島根のひとときは、ビールと餃子で満たされながら
暮れていったのだ。


走行距離456km

| 帰省ツー | 19:12 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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帰省ツー1日目:船橋~大阪南千里 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

2日前までは降水確率60%だった旅立ちの日、
若干湿度はあるものの、雨の気配はない。

どうにか3時間と少しの睡眠を取り、
まだ夜が開けない午前4時、荷積みを始める。

午前5時、船橋インターそばのセブンイレブンで
hideさんと落ち合う。

そう。
今日は某シさんディレクションのもと、
バイクブロガーのみなさんとboxerさんが
うなぎランチを兼ねた浜名湖までの“なおニン護衛”を
企画してくださっていて、
船橋組のhideさんには、出発時からごいっしょいただくことに
なっていたのだ。

ほぼ定時に出発して、千鳥町から湾岸線へ。
このルートで東名へアクセスしたことのない私にとっては、
首都高とは比べ物にならない湾岸線の走りやすさが心地よくて、
お台場あたりで雨がパラつきはじめても、
一向に気にならなかった。

でも、初めて立ち寄った大黒ふ頭に着く頃は、
シールドに当たる雨粒がやや気になりはじめて、
念のためレインウエアを着込むものの、
「それじゃあいきますか」とエンジンをかける頃には
また雨は上がりかけていた。

レインウエアを着ると雨があがる…。
止まない雨はないのだから、当たり前のことだけれど、
そもそもが晴れオンナの私の場合、
「着るとすぐやむ」ケースが多い。

みなさんとの集合場所、海老名に予定よりもずいぶん早く到着。
それでも隊長某シさんとhiroさんににこやかに迎えていただく。
本人の姿は見えないがR100RSがboxerさんの到着をも告げている。

やがて、同じくロングツーリングの予定を明日から今日に
急遽変更して途中まで同行してくださるぶらっくさん、
そしてluvさんも華やかなピンクのジャケット姿で到着し、
海老名をスタート。

次の足柄SAに着く頃には空はみごとに晴れ上がり、
今回は天気の心配は不要と、あっさりと決め込む。
足柄の青空

足柄の7台

富士川SAで予定通り最初の給油。
その後、うなぎがいただける浜名湖SA内の和食屋さんについたのは
開店11時にはまだ間がある10時40分。

SA内とは思えない広大で緑豊かな公園を散策しながら
しばし時間をやり過ごす。
新幹線からしか眺めたことがなかった浜名湖は、
豊かな湖水をたたえ実に美しい。
2008-09-15 21:22:23

照りつける日差しから逃げるように建物内へ戻り、
開店一番乗りで食事処に入店。
ひつまぶしやお手頃なうな丼などにも目移りしつつ、
でもやっぱりこれしかないでしょうというムード満載のなか、
7名揃ってうな重2,500円なりをオーダー。

これもSA内でいただけるうなぎとは思えないほど
タレの薫りが鼻腔をくすぐるやわらかく美味なうなぎを、
一堂しばし寡黙になっていただく。

さて頼もしい限りのみなさんに
お供していだけるのははここまで。
武者震いしそうな気持ちを、
呆れるくらいの暑さの中、熱々のコーヒーで落ち着かせる。
引き続き小田原方面へ行かれるみなさんと名残惜しいお別れの後、
伊勢湾岸道路手前でお別れするぶらっくさんと、
三ヶ日ICで降りてしまうboxerさんと共に浜名湖SAを後にする。

あっという間に迫る三ヶ日IC。
この旅を思い立ったときから相談相手になってくれた
boxerさんに、
「行ってきます!」の想いで左手をあげる。

そうこうする間にぶらっくさんとのお別れポイント、
豊田JCTが近いことを示す標識もすぐに現れる。
「左だよ」とサインをくれるやさしいぶらっくさん。
サムズアップで”OK!”を返す。
「どうかお気をつけて!楽しんできましょうね」
左と右。
視界から消えるまで手を振り続けて"good luck!"を送る。

大型トラックがちらほら走る程度の伊勢湾岸線。
右下がりに緩いバンクがついた広い3車線道路に
ひとりになった緊張感を煽られながら、
走ることだけに集中してスロットルを開ける。

2度目の給油のため、刈谷PAへ。
観覧車があるハイウエイオアシスだ。
温泉施設もあるようで、敷地はかなり広い。
刈谷SA

ここからクルマですぐのところでオシゴトされてる
hiroponさん-楽天ブログのお友達-からの着信の跡に気付く。
コールバックすると、仕事じゃなければ逢いに行ったのに…と。
お会いしたこともないブロ友さんたちにも、
十分助けていただいてここまで来てる感にまた浸る。
ありがたい。
ありがとう。


相変わらず真夏顔負けの日差しは強く
まだまだ高い太陽のせいで、木陰もミニマム。
冷房が効いた施設内で水分を補給して、未踏の地大阪へと向かう。

やがて左手に広がる伊勢湾の風景に別れを告げ、
東名阪、新名神と分岐を越える。
京都が近くなってきたころから通行量が増え始め、
渋滞とまではいかないまでも、ややペースが落ちる。

一番不安だった名古屋から大阪までの分岐がクリアできて
ひと安心したわけではなかったのだけれど、
なぜか目を皿のようにして探す「中国吹田」の出口がない。
あれ?
あら?
あっ…、太陽の塔過ぎちゃった…。

明らかなルートミスに一気に気分をトーンダウンさせながら
中国道を進み中国豊中で降りる。
戻るべく一般道は夕方の大渋滞。
ならばと大回りを覚悟のルート変更に挑む。

初めて訪れた土地勘ゼロ地帯。
よく見ると、豊中はひどく道が入り組んでいて、
時折確認する現在地が地図上に見つけにくい。

道を尋ねたご夫人はやや年配過ぎたのか、
要領を得なくて無駄骨に終わり、
ままよと走るうち意外にあっけなくたどり着く。

今夜の宿泊先、ホテルマーレ南千里。
阪急千里線南千里駅前のホテルだ。

チェックイン後、
着替えだけして駅にある阪急のスーパーへ。
場所柄、ご当地グルメに期待はしていなかったので、
早くゆっくりしたくって、お部屋で簡単に夕食を済ませたかったのだ。

「鱧の湯びき梅肉添え」で関西気分を醸しておいて、
宇和島のじゃこ天や南高梅といった、
とりあえず西の香りのするラインアップをカゴへ。

やっと飲めるビールの他、
灘の酒でも…と探すが新潟やら秋田、黒部のお酒しかない。
もう作ってないんだっけ?と、ちょっとがっかり…。



生まれて初めての大阪の夜は、
そんなつまみとホロ酔う程度のお酒であっという間に幕切れ。

雨が降らなきゃいいんだけど…と、
屋根なしのスペースに停めているWOOのことが朝までずっと気になった。

走行距離586km

| 帰省ツー | 19:11 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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なおニン杯争奪帰省ツークイズ結果発表 「ξバイク好きの交流所ξ(9570)」

長い長いツーレポを書き終えて、
楽しかった初の単独長距離ツーリングが完全に終了。

ということで、お約束の表記結果発表ということに。

各日の走行距離はというと…。
船橋~南千里     586km
南千里~益田     456km
益田~実家      272km
日帰り阿蘇      415km
実家~フェリー~船橋 101km

総走行距離は…1,830km

みなさんの予想距離数は…、
レクキオくん  1,650km
ぶらっくさん  1,575km
大阪人さん   1,723km
boxerさん   1,842km
企画営業兼老人倶楽部さん 1,530km
hideさん    1,783km
三十路♀さん  1,685km
hiroさん    1,751km
Lucy1005さん 1,587km
hiroponさん  1,680km
Pバラクさん  1,717km
LIVEさん    1,919km

というわけで、優勝はなーんとboxerさん!
誤差わずか12kmというみごとな予想…。
ひょっとして後を付けてたんじゃ?と思ったりして。

賞品は阿蘇のツーレポで発表した豊後牛カレーとかぼすポン酢。
boxerさんには近々贈呈ということで。

ご応募いただいた11名の皆々様、
本当にありがとうございました。

| 帰省ツー | 17:01 | comments:18 | trackbacks:0 | TOP↑

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帰省ツー8日目:有明~船橋 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

早朝4時にセットした目覚ましよりも早く目が覚める。

とうとう旅の終わりを迎えたという寂寥感よりは、
早く降りたい気持ちの方が大きくて、
まだまだ下船まで間がある午前5時、
身支度をしてラウンジに出る。
早く降りたくて
数人の乗客の中に、あの75歳のオジサマと、
大工ライダーさんの姿も。
「やっとですねぇ」
おはようの後、しばし雑談を交わす。

仕事柄、1泊半の船旅で体がなまって仕方がないという
大工ライダーさん。
この日のうちに新潟まで帰ると言う彼に尋ねられ、
首都高の乗り口など、地図でアドバイスしてあげつつ、
まだ旅が続く彼が、かなりうらやましく思えた。

一方、すでにライディングパンツを履いてる私をみて
ずいぶん凛々しくなったねというオジサマ。
「しかしその格好もセクシーだねぇ…」

えっ?

確かに船上の私はずっとジーンズにTシャツだったけれど、
さらに厳つい出で立ちの中に、色気を見出すとは。
この方、若い頃は相当ブイブイ言わせていたんじゃなかろうか。

やがてあっけなく船は有明着岸。
駐車場へと降りる。
出口に近い方へ停めていた人たちは
荷積みが終わるとアイドリングもせず降りて行く。

大工ライダーさんは、すぐに鹿児島でコケた彼のもとへ行き、
押し掛けをしてあげている。
自分のことで精一杯の私に比べ、なんて優しい人。

カスタムだらけで元がなんのバイクだか見当もつかない
一台といっしょに、のんびりアイドリングして
靄のかかる東京の地に降り立った。

船内になかったホットコーヒーがひどく飲みたい。
お台場に24時間営業のマックがあることを思い出して、
357を家とは逆方向へ。

黄金色に色づいたあの田園風景も、
レゲエが口をつくあの海もない。
アスファルトとコンクリートまみれの街。
帰ってきてしまった

無事な旅の終わりに安堵。
そして森羅万象に感謝。

| 帰省ツー | 10:04 | comments:12 | trackbacks:0 | TOP↑

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帰省ツー7日目:フェリー -all day long- 「☆バイクでツーリングに行こう=3=3(4034)」

慣れない揺れと振動で、
熟睡できないままぼんやりと目が覚める。

起きることができたら見ようと思っていた朝陽。
カーテンの外がやや白み始めているのをみて、
相変わらず誰もいない甲板にでてみた。

昨夜よりも圧倒的に大きくなっている揺れの中、
ふらつきながら広い船尾へ。
早朝の甲板

スリッパを履いた足でよたよたと反対側の船首へと移動。
船上の朝陽
うっすらと赤みを帯びた水平線。
日の出にはもう少しかかりそう。

ふっと軽くなったカラダに再びGが掛かかる。
何度か繰り返すうちに嫌な予感を感じて、
またふらふらとしながらトイレへ。

完全な船酔いだ。

やれやれと、また眠りについて目覚めた8時過ぎ、
空腹を感じて朝ご飯。

窓際の明るいテーブル席で食べている私のもとへ
ご老人がやってきた。

「おいしい?」
まるで幼い子どもにでも言うように微笑むオジサマ。

「ボクはこれだからあまりモノが食べられないんだけどね」というと
食事中に悪いがといいながら、いきなりシャツをめくって胃切除の跡を披露。

やがてご自分も6Pチーズを手に向かいの席に戻ってきた。

親戚の結婚式出席のため、小倉から東京に向かうというオジサマ。
聞けば父と同じ75歳。
帰る日も決めず、のんびりした旅なのだという。

飛行機なら1時間半でついてしまう距離を船でいくなんて、
これに乗っている連中はみんな変人だといって笑う。

そして身の上話など交わすうち、
アナタもボクも時間がないね、と。
「アナタは忙しくて、こうして人生を楽しむ時間がない。
ボクはもうこの先、生きることが許された時間がないでしょう?」

アナタのように大冒険がしたいけど、もうどうにも体力がないと
海を見つめながら語る言葉に、鼻の奥がツンとしたのは、
恐らくは同じような思いを抱いているのであろう父や母の影が
重なったからだ。

仕事からも、子どもからも離れて、いざ人生のやり残したことを
満喫したいと思ったとき、しかしそこには財力こそあれ、
肝心の体力と気力はないということだ。

私がこの歳になって免許を取ろうと思ったとき、
乗り始めるにはギリギリの年齢だろうという
切羽詰まった思いがあった。

恥もケガも屈辱もものともせず、がむしゃらに取り組めたのは
やり残したくない、後悔したくないという想いがあったことに
他ならない。



小一時間もそんな話をするうち、船内には徳島が間近という
アナウンスが響いてきた。

徳島間近
船首では着岸を前に乗組員が大忙し。

ここで延々2時間もの停泊。
揺れないうちにと、また貸切状態で朝風呂満喫。
寝て食べて湯船に浮いて…。
フェリーって実はとっても贅沢じゃなくって???

だってこざっぱりした頃にはまたお昼。
食堂の自販機を物色して回って、
「とれたて弁当」がチンされて出てくる
「とれたてキッチン」にトライすることに。
とれたて自販機
悩んだ挙げ句、ミートソースをチョイス。
定価300円が、なぜか東南アジア並みの200円!?
とれたてのミートソース…?
でもボリュームは200円で納得な程度。
男性はひとつじゃ物足りない量。
ギャル曽根なら30個はイケそうだ。

食後もテーブルでまったりとしていたら、
ランニング姿のバイク乗りがやってきた。
乗船時、ひどく足を引きずっているのをみて
係りの人から冷却用に大量の氷をもらい、
母から持たされた湿布を分けてあげた若者だ。

多摩から一般道を20時間走って九州まで行き、
4日目の早朝に鹿児島で右折の○クザのベンツを避けようとコケて
バイクもだましだまし走行となったためフェリーにしたという。
時間がなく、医者にも行っていないという本人も
右の肩や肘の擦過傷、足の親指の捻挫(たぶん)で
クラッチ操作は踵でやってきたんだとか。
乗船のときはエンジンが掛からず痛む足で押しがけしてた。

悲惨だ。

痛みはどう?と声を掛けると、昨日よりはマシとのこと。
自分のカラダよりもしきりとバイクの具合を気にしていたけれど、
自走して別ルートで帰ったという相棒のペースに巻かれて
あまり寝ずに走っていたという彼に、
無謀な割に、こんなもので済んでよかったのでは?と
自分のことはさておき、軽く姉貴ぶって忠告しておいた。

食後の思いがけないデザートは、大工のDS750乗りさんから。
ごっちゃんです。
みつ豆買うつもりが間違えたとのことで、ありがたくゴチになる。

部屋に戻ってうとうととした、実に気怠い昼下がり。
退屈は絶好調に達する。
日焼け覚悟で出た甲板は、それはもう強烈な日差し。
太平洋
当たり前なのだけれど、船しかいない。
しかも、ときどきしか見えない。

手摺りから下を見おろせば白い波しぶき。
白い波

オジサマがさきほど言ってたっけ。
ここは黒潮だから海が黒いよと。

美しい海。
青く澄んだ空。
朝の揺れが嘘のように穏やかな波。


しかし、暇だ。


緑色の甲板に映る影ですら、遊び相手にしたくなる。
影が楽しい
ありあまる時間は、クリエイティビティーをくすぐることも
あるのかもしれない。


早めの、しかも200円ぽっちのランチだったせいで、
なにもせずとも早めにお腹が空く。

ここでいよいよ、乗船以来チャレンジャー魂をくすぐられ続けていた
最高級(なのか?)冷凍寿司に満を持して挑戦!
お寿司の自販機
事前にブロ友すぴーどさんから情報を得ていたとはいえ、
まったくイメージできていなかった冷凍寿司。
堂々たる自販機構えだが。

お寿司パッケージ
500円なりを投入すると、こんなしろものが“ゴトン”と出てくる。

チン
紙箱から出し、ビニールのパッケージを取り、
専用電子レンジに入れてスタートボタンをピッ。

シャリとネタが馴染むまでしばし待てとある。
いくぶんなま暖かいお寿司はしばらく放置することにして
スーパーで仕入れてきた菊水ふなぐちを食前酒に、と。
今日も日のあるうちからアルコホオルをいただく。
ふなぐち!

そうして食べ頃になったころを見計らってお寿司を…。
お寿司完成
ある意味情けないのかもしれないけれど、マズくない。
ネタはデロっとしているでもなく、解凍モノとは思えないし、
シャリも決してダンゴ状ではなく、パサついてもない。

環境と値段を考えれば充分アリではなかろうか。

追加したビールでほろ酔い気分の中、
太陽は早くも水平線へと落ち始める。
私の一日が怠惰だろうが、激しかろうが、
やがてくる明日のために、日はちゃんと落ちるのだ。
日が落ち始める
船尾のど真ん中のベスポジを占領しての独占撮影。

カメラを構える人が三々五々いる船尾。
ベンチに腰掛けて夕陽を見つめる。
日没間近
朝陽には決して感じない切なさが、なぜか胸を突く夕陽。
雲の間に見え隠れしながら落ちてゆく橙色のそれは、
それでも上空にたなびく雲を昼間のように照らしながら、
地球の裏側の朝をもたらす。

夕陽を見ると、泣きたくなるのはなぜなんだろう。
陰影の劇的な美しさに惹きこまれながら思った。


旅の終わりは、
たくさんの想い出と切なさで、複雑なものと決まっている。

明日は東京。
夢実現の充足感に浸る間もなく、
淡々と日々繰り返される現実がまた始まる。

| 帰省ツー | 17:03 | comments:12 | trackbacks:0 | TOP↑

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