Kとの最後の旅は、長野に決めた。
しかも出発の前日、7月の三連休の初日のこと。
例によって相方が、
「明日どこか行くの?」と聞いてきた。
まるで他人事のように突然聞いてくる相方。
どこかに走りに行こうと彼の中で決まると、
いつもそう尋ねてくる。
実は7月最初の週末にも、同じように相方から声かけがあって、
日曜日に「わさび丼を食べに天城越えをする」ツーリングに出かけた。
がしかし、通常なら営業しているその店は見事にクローズしていて、
暑さに疲弊しながらも爽やかなわさびの味わいを夢見て走っていた我々は
見事にその思いを打ち砕かれた。
もう無駄足など踏むものか。
長野行き前日は二人して宿探しサイトを見まくり、
値段と距離と料理としつらいを吟味して
戸狩温泉の宿を予約。
翌朝、5時出発。
早朝なれど涼しいはずもなく、
7時半には横川でひとつめのソフトでクーリング。

途中、ランチに何を食すかで旅につきもののひと悶着があり、
結果的には
大満足の蕎麦を頂く。

ご近所の方が作って持ち込むと言うぬか漬けが何と食べ放題。
お蕎麦もうまいが、このぬか漬けが大層美味で、塩分もしっかり補給。
この日は出発が早かった上に関越道も空いていて、
宿にもチェックインより1時間も早く着いた。
もちろん汗みどろで。
宿のフロントには人の気配がなかったので、
トイレで汗を拭き拭き楽なものに着替え、
小川が流れる林の中を散策したものの、
ほんの少し歩いただけで暑さに萎えた。
ホテルに戻ると女将さんに会えて
30分ほども早く部屋に入れていただいた。
バイクは夏場は使わないロッジの屋根のあるところへ
停めさせていただき、至れり尽くせり。
クーラーが効いた部屋の外はこの眺め。

早速一番風呂に飛び込んで、早朝からダラダラじっとりかきまくった汗を
ゆるりと流した。
やがて入道雲がムクムクと立ち上って、
この後は今朝通ってきた長野のあちこちでひどい雨が降ったようだった。

缶ビールを軽くのんだらあっという間に寝落ちて、
やがて料理が売りでもあるこの宿の夕食タイムに。

信州サーモン始め、飯山のブランドポーク「みゆきポーク」、
お隣にある畑で育った歯ごたえ抜群の地物のインゲンの和え物、
山菜のおひたしなどなど、一つ一つ説明いただきながら堪能。

白ワインをお願いしたら大好きな五一ワインだったのも
気分が上がった一因。
夜が更けた頃、外に出て星空鑑賞。
3つの流れ星と、数え切れない星とぐるりぐるりと回る衛星と、
そして思いがけない蛍の灯り。
もう東京はいいや。
そんな気になった。
朝まで爆睡して、起きたらまたまた美味しいご飯。
旅は何がいいってコレだ。
特に食事を作る役割を担っている場合、これだけで至福。

さて行きますか、と
のんびりと準備をしていても汗をかく。
すぐそばにはスキー場もある標高なのに、高原の爽やかさなどありはしない。
出発して早々に立ち寄った千曲川沿いの道の駅で
この旅ふたつ目のソフト。
白桃の風味が抜群。

帰りの高速。
標高が下がるに連れて空気がどんどん重く暑苦しくなる。
下に降りてから、いよいよ頭痛が始まって、
途中のコンビニで命を守る給水。

たまらずジャケットも脱いだので、
何があってもコケられない。
家にたどりついたときには、無事の帰着に心から安堵した。
走行距離696km
昔は1日でこれくらい走ったけれど、
暑さのせいもあるとはいえグッタリ。
でも、
あと一度、走れるかも?
このときはそんな気もしてた。
#K75S
#BMW BIKS
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戸狩温泉